2016年
5月
05日
木
昔から「ほめ育て」ということがよく言われます。「叱らずにほめて育てると、子供は自分に自信を持ち、さまざまなことにチャレンジできる人間に育つ」。要は、「ほめて育てて、自尊心を高めよう」というわけです。
アメリカでの研究によれば、「自尊心の高い子(自信のある子)は、反社会的な行いが少なく、学習態度もまじめで、学力も高い傾向がある。」という結果が出ています。
ところが話はそれで終わりません。その結果を受けて、アメリカ・カリフォルニア州では、「子供に自信を植え付ければ、学力や意欲が高まり、反社会的行為を未然に防ぐことが出来るのではないか?」という考えから、自信を植え付けるような働きかけがどのような影響を与えるのか?という調査が行われました。
結果は、学力の低い生徒に自信を植え付けるような働きかけを行った場合、学力が余計に下がったのです。 つまり”自信を持つような働きかけ”は、逆効果だった、ということです。
その研究では結局、「自尊心(自信)」 → 「学力の向上」 という関係ではなく、
「学力の向上」 → 「自尊心(自信)」 という関係があることが分かったのでした。
また、ほめる際にも、「頭がいいね」とか、「才能があるね」と能力をほめられた子よりも、「よく頑張ったね」と成果をほめられた方がその後の成果が伸びる、という研究結果もあります。 能力をほめられると、努力するモチベーションが下がり、成績も下がる傾向があるそう。
結局、「根拠のない自信は、努力する意欲を減退させ、努力を通じて得られた自信は、その子の力になる。」ということではないかと思います。
これらは、「教育心理学」とか「教育経済学」といった学問の成果ですが、腑に落ちる結果もあり、色々と考えさせられます。
(「セミナー通信」より転載)
2016年
4月
02日
土
「春の集中学習会」が、無事終了しました。「1日5時間、1週間(5日間)学習しよう!」というこの企画、「参加する人いるのかなあ・・・」と最初は心配でしたが、ふたを開けてみれば、毎日8名以上の参加者がいました。 内容的にも、毎日有意義な学習が出来ていたと思います。
「適当に休憩とってね!」と言ってましたが、私語もなく、適度に張り詰めた空気があって、本当に集中して学習できてました。
5日間参加した人の感想、「思ったよりしんどくなかった」(笑)
確かに、「中の人」も、3日目(中日)はだるくて「少しつらいなー」と感じたけれど、それを過ぎれば、なんだか時間も短く感じられて、「思ったよりしんどくなかった」というのはよく分かります。
きっと、「自分史上最高に勉強した!」という人がほとんど。 それは時間の長さだけではなく、「密度」においてもそうだったんじゃないかな?
本当に皆さん、集中して密度の濃い学習ができていました。 こういう学習は力がつくんだよね。
また、こういう感覚を一度経験しておくと、「集中して勉強するとはどういうことか?」が身に付いて、自分で学習する際にもプラスになるはず。 5日間やりきった人は、自信もついたと思う。
こちらは何の強制もしていない中で、5日の学習会に休まずに学習しに来る、というのは、忍耐力や自制心が必要とされると思います。
参加した皆さん、本当にご苦労様でした!!
いまの高校生や中学生たちにある、「横並びでいいじゃん」「そこそこでいいじゃん」という風潮に少し疑問を感じて、「一度、しっかり集中して学習する時間を持ってみようよ!」というこちらの一方的な気持ちを企画にしてしまった今回の「集中学習会」でしたが、たくさんの参加者がいて本当に心強く感じました。
また、やりたいと思います!! 「中の人」も結構大変だけれどね!(>_<)
2016年
2月
01日
月
今年で、ボクが新宮で塾を初めて21年が経ちました。 <阪神淡路大震災>で居住していたマンションが倒壊、それから妻の実家のあるこちらに引っ越してきて、丸21年!
ここまでやってこれたのも、塾に来てくださった生徒の皆さん、保護者の皆さんのおかげ、と感謝しております。
ただ、まだまだこれから! <道の途中>です。
来てくれている生徒の皆さん一人一人に、「たつみに行ってて良かった!」と思ってもらえるように、出来ることを一つ一つ積み重ねていきたいと思います。
自分自身も勉強して、新しい知識を積み重ねて、スキルを磨いていこうと思っています。
また、生徒の皆さんの気持ちが分かる、「理解のある大人」になりたいですねー。
がんばります!! (^_^)/
2016年
1月
05日
火
明けましておめでとうございます。
日曜の午前中に高校受験生のための特別授業をやっています。
第1回 理科と英語 兵庫県の平成27年度の問題
英語の長文が長く、時間通りに解くことが出来ず、みんな苦労していました。中学の間はどうしても長文を読む機会が少なく、苦労します。 コツは色々あるのですが、究極の所、「慣れ」も必要です。 高校へ行ってからの課題ですね。
第2回は、 数学と社会、数学は「時間との闘い」も一つのテーマ。限られた時間内にどれだけ得点を最大化できるか?が大切。そのためには、「時間がかかりそう、と思ったら、飛ばしてやっていく方がいい。」と、アドバイスしました。三重の過去問を使用しました。
第3回は、国語と理科。 国語は、和歌山の過去問、理科は鳥取の過去問。国語に関しては、和歌山の問題は記述問題が多いのが一つの特徴です。問題のスタイルは例年変わりません。
傾向に慣れるためには、和歌山の過去問をすればいいわけですが、一度出た問題は二度とでないので、「答えにどのように近づくか?」を知るには、他県の問題をやることも決して無益ではありません。 知識の整理も出来てきます。
話は変わりますが、入試問題で使用されている小説や評論文がどれも面白くて、続きが読みたくなります。 2年前の和歌山は平田オリザの「幕が上がる」を使っていました。 これは去年映画化もされていました。 椰月美智子の「しずかな日々」も、どこの問題であったか、使われていて「先が読みたい・・・」と、思ってしまいました。
どちらも長い小説の一部を切り取ったものなのですが、そこだけで、「名作の香りが漂う」というのか、「オーラがある」というのか、・・続きが読みたくなりました。
受験生にはそんな余裕はないでしょうが、こうやって、多くの目に触れることは、その書物や作者にとってもプラスになるはず。
最近は、著作権の問題で国語の入試問題が公開されなかったりするのですが、作者と書名がちゃんと記載されていれば作家にとって決してマイナスではないと思うけどなあ・・・。
2015年
10月
27日
火
上のグラフは、「高等教育に対する公的助成金」の国際比較のグラフです。薄い色は公的な奨学金、中間色は民間団体の奨学金、濃い色は教育ローンを示しています。 日本はと言うと、・・・ほとんど全てがローンに分類されています。(「日本学生支援機構」もしっかり利子が取られます。)
今までの資料から、日本の大学教育は値段が高い上に、奨学金が少なく、学生、またその親にとってとても「行きにくい」ものだと言うことがよく判ります。
世の中の仕組みとして、「これでいいのかな?」と、僕は非常に疑問に感じます。
これからの日本を背負っていくのは言うまでもなく若い世代です。若い人たちが夢を持って生きられるような仕組み作りをすることは大人の責務だと思います。
以前国会で山本太郎氏が、この件に関して下村文部科学大臣に質問をぶつけておられましたが、非常に的を射たよい質問でした。 奨学金の整備、教育ローンの返却に関して、少しでも前進してくれればいいのですが・・・。
一億総活躍社会、はいいですが、活躍できる土台作り、を政府はちゃんとして欲しいと強く思います。